2018年10月31日水曜日

(31)少年少女感激小説・少年魔術師

「少年少女感激小説・少年魔術師」昭和23
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169776

装丁~挿絵は鈴木清さん。
と言ってもtwitterでちらほらご紹介した以外はほとんど存じ上げません。すみません。
同姓同名の方がとても多いんですよね。





「少年少女感激小説」って冠がすごいですね。
鈴木さんに関しては他の作品をもう1点知っているだけなのですが、ここに描かれている少年よりもう少し上の、ハイティーンくらいの年齢の描写の方がお得意そうです。
戦後まもなくと言えば少年探偵や冒険ものが流行していく時代。もう少し鈴木さんの絵が見たいので、探してみたいと思います。

2018年10月25日木曜日

(30)維新剣豪小説集

「維新剣豪小説集」昭和16
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169870

戦時中でも幕末の志士は大人気。たくさん本が出ていますし、検閲にもひっかからず使いやすいモチーフだったんでしょうね。


そして今回紙面を美しい挿絵で飾るのは尾形雪陵さん…て、え、誰!?
検索しても出てこないんですよ!!!






こんなに美しい絵を描かれるのに…検索で出ないなんて…しかも昭和16年ならまだ新しい方…。

お名前が日本画の雅号ぽいですが尾形光琳がらみでもなさそうですし、はて?
でもこれだけの絵を描かれる方が無名なわけがない。
考えられるとすれば、別名での活動か、ないしは看板職人さんだった可能性はありますね。何しろ題字が美しいですから。

気になる~ものっそい気になる~。
どなたかわかる方教えてください~~。

(29)幕末剣客物語

「幕末剣客物語」昭和3
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1717338

大好きな土村正寿さん!(挿絵)
ここでも何度かご紹介しておりますが、今回は心行くまで土村さんが描く美男子が味わえる素晴らしい御本で…。
美少年画も多い方ですが、土村さんはやっぱり美青年から美中年でしょう!(当社比)
1~2ページごとに挿絵がある贅沢仕様!
かっこよすぎ!原書ほしい!
個人的な感想しかなくてすみません!










(28)阪本龍馬

「阪本龍馬」昭和3
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1716177

皆さんもよくご存じの坂本龍馬…


て、え!?誰!?
と思うのは例のブーツの写真や福山雅治さん演じた龍馬のイメージからでしょうか?






挿絵画家は池上浩さん。存じ上げなかったのですが、戦後は「子供の科学」の挿絵を中心に活躍された方のようです。もちろんこれとは全然タッチが違う。
池上さん、今後もチェックしていきます。

2018年10月22日月曜日

(27)ドリトル先生アフリカ行き

「ドリトル先生アフリカ行き」昭和21
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168421

満を持しての河目悌二先生。(挿絵)大好き、ほんと大好き。
河目先生の何がすごいか。うまい、とにかく絵がうまい。いやわかってます。東京芸大出のプロにうまいって言うほど失礼な話はありません、でも素直な感想です。語彙力なさすぎてすみません。

もちろん神レベルの挿絵画家はたくさんいらっしゃいますが、私が河目先生を好きな最大の理由は、そのタッチの多さです。
色んなとこで何度も言っていますが、私は「もともと違うジャンルの画家が、戦時統制下において自らのタッチを封印し、やむを得ず手掛けた戦争画が堪らなく好き」なのですが、河目先生に至っては「やむを得ず」感がない。それは好んで描いたという意味ではなく(心中までわかりませんから)、え、これ本当に同じ人が描いたの!?っていうくらいまったく違う雰囲気で描かれるのです。空気読むレベル半端ない。(そういう問題だけでもないけど)

で、まぁ、デジコレには河目先生が絵を提供された御本がたくさんありますが、今日はとりあえずまずドリトル先生(井伏鱒二さん翻案)の挿絵をご紹介します。








あちなみに、デジコレには河目先生の愛国小説の挿絵はありますが、本格的な戦争画はありません。これがまたすばらしい!ので、どうぞ検索なりしてお探しになってください。

2018年10月20日土曜日

(26)東京小間物化粧品名鑑

「東京小間物化粧品名鑑」大正2
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/912728

これはおもしろい!!!
東京の化粧品の問屋さん一覧。最初の方は下のような広告がぎっしり、後半は卸カタログ。
化粧品に限らず他の広告でもそうですが、この頃は社屋と店主と店員の顔出し広告が流行ってたんですね~。信用第一ってことでしょうか。







2018年10月17日水曜日

(25)南の伝説

「南の伝説」昭和18年


え、ちょっとびっくり案件。
この装丁、インパクト!って思ってたら、直木久蓉さんでした。
「映画ファン」美術部で映画スターの似顔絵を手がけておられた方で、以下に詳しく。
https://goo.gl/zMKNBd

ちなみにこの本、当時は珍しかった南方の国々の暮らしが、新聞社の現地特派員の目を通して描かれています。

マレー音頭
何でも音頭を作ってしまう日本人

猿亀合戦
さるかに合戦がフィリピンに伝わって形が変わった亜種



”全世界に空前唯一の「化物珍獣」”として紹介されている、「鮫龍」、現地の呼び名で「プアヤ・ダラット」
写真と説明を読む限り、どうやらコモドドラゴンの事のようです。


ショクダイオオコンニャクはもちろん「お化け花」扱いで和名がついていません。


「昭南怪談」
昭南はシンガポールが日本に進行された時の名称。
イギリス将校に言い寄られた未亡人のマレー美女がこれを断ったため、逆恨みで殺害され、以後化けて出るようになったという。日本の軍人も幾度となくマレー語の「うらめしや」(って本当に書いてるんだ)を聞くので、供養してやったという話。


「珍商売」
耳掃除・爪切り・猿をどり
猿をどり、は、猿回しとはちょっと違うそうですが、要するに猿のショーです。
耳掃除も爪切りも今や日本でもある商売です。形を変えて。

***

他に、さまざまな種族や食(サソリとか芋虫とか)の紹介など。

2018年10月15日月曜日

(24)ピノッキオ

「ピノッキオ」昭和22年
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168500

かわいい!!!と思ったら、童話挿絵の神様、武井武雄さん!!!





ちなみにこの本、扉絵が岡秀行さんが担当されていると書いてあるんですが…。これかな?そして”あの”岡さんかな???


であるとすれば神々の競演ですよね!

(64) 訓蒙開智・第2/生徒の革提

「訓蒙開智・第2/生徒の革提 」明治24 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919205 明記されていないのでサイン識別になりますが、月耕の門下生だった小川耕一さんの挿絵ではないかと思われます。