2018年11月28日水曜日

(42)軍用記

「軍用記」
https://goo.gl/dDeiX5

元々デジコレは作画資料を探し始めたのがきっかけでちょくちょく見るようになったのですが、その都度記録をしていないもので、後から「あれ何だっけ?」となるわけですね。

という事で今日は基本中の基本(?)、軍用記のご紹介です。
鎧兜の資料は多々あれど、鎧餅飾の資料とかあんまりなさそうでしょ?





(番外)軍人援護文藝作品集より

小川真吉さんの作品を探していたら、軍人援護文藝作品集の中で素敵な文章を発見したので抜粋して貼り付けます。

軍人援護文藝作品集
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1881852


この作品そのものは戯曲になっていて、フィクションだと思うのですが、ご本人の名前が使われていたりと、いわゆる「事実に基づいたフィクション」の類ではないでしょうか。
つらい戦争から命からがら帰ってでも描きたい戦争の絵。画家ってそういうものですよね。

(41)水野年方茶の湯拾五番下繪


※こちらは国立国会図書館月報から抜粋

以前国立国会図書館月報で上の水野年方の下絵を見てすごいな!って思ったので改めて、下絵集を紹介します。

「水野年方茶の湯拾五番下繪」18**年
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2541209





下絵の美しさ!!!
前半は色のチェックなどしていて、試し塗り(1枚目右上)が要所要所に見られます。後半にすすむにつれ線画が明確に。また「アミメ」「ムジ」など模様の指定も。

デジコレには下絵集はあるのですが、この完成版が見当たりませんでした。でも下絵だけで十分美しい。最近でこそメイキング集、絵コンテ集は珍しくないですが、この時代のものは貴重ですよね。

これを見てから影響されて私のラフもずいぶん丁寧になりました(´ー`)

2018年11月16日金曜日

(40)日本立志物語

「日本立志物語」昭和3
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1717243

高畠華宵さんの挿絵






この年代の著名な挿絵画家は著作権の在処が微妙なようで、伊藤彦造さんや山口将吉郎さんなんかはネット公開されていません。
高畠さんも2冊しか見つけられていませんが、そのうちの一冊。

昔の著名な画家はほとんどが男性で、お陰で女性画が多くなりがちですが、挿絵だとそうはいかないので色っぽい男性を描いてくださっていてうれしい。
高畠さんももちろんそう。検索してみてください。美人画ばっか出てくるから。

2018年11月12日月曜日

(39)浮かぶ飛行島

「浮かぶ飛行島」昭和14
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1873939

樺島勝一さん!樺島さん!!!









樺島さんのカラー絵珍しい!
これ絵ですよ?エアブラシもPCもない時代の、絵ですよ?
しかも結構な枚数が収録されています。
トリミングが!!!無体なトリミングが残念!!!!

(38)鮎吉船吉春吉

「鮎吉船吉春吉」昭和17
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1169937

戦時中は画風を変えていた方が多かった中で、まったく変わらない大石哲路さんの挿絵、めちゃくちゃかわいいです!!






2018年11月11日日曜日

(37)太平洋海戦

「太平洋海戦」昭和18
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1717138

前回、村上松次郎作品をサルベージしていきたいと書いたのでさっそく。






これほど条件の悪い印刷物でも絵の素晴らしさが伝わるのはひとえにデッサン力の高さ。ファンも多いです。
先生のご尊顔をこちらで発見しました。



2018年11月9日金曜日

(36)山本五十六元帥

「山本五十六元帥」昭和18
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1719948

装丁が、村上松次郎さんなのだ。

いや、twitterでは何度か紹介したはずなのにここには記録していなかった。お陰でデジコレに数多あるはずであろう村上氏の挿絵や装丁が埋もれてしまった。
わたくしとしたことが。

という事で今回は1枚だけだけど貼り付けて、今後も村上ウォッチ&サルベージをしていきたいと思う。

(35)日本海軍の話

「日本海軍の話」昭和18
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720074

くろがね会は今年ニュースと私の中で話題になっていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30895060U8A520C1CR0000/

原則的に外には出ない刊行物を作っていたはずですが、こちらの「日本海軍の話」はそういう類のものではなく、一般に海軍をPRするために作られた本のようですね。昭和18年あたりにたくさん出版された日本軍の「俺たちすごいんだぜ本」の類のものです。
編纂はくろがね会となっていますが、筆者名は書かれていません。装丁も挿絵も海軍内で収めているようです。
写真もグラビアを飾る派手なもの以外に、訓練のスナップなど萌え…(はおまえだけ)じゃなくて日常の研鑽がわかるようなものも入っています。

という事で今回は、岡崎文勲大佐の装丁と挿絵を見てみたいと思います。




挿絵は以上です。表紙に「持ち出し厳禁」を表す錨マークがないのは一般刊行物だからでしょう。
そもそも海軍に従軍画家が少なかったというのもあるでしょうが、挿絵画は陸軍・海軍ともに身内でやりくりする事も多かったようです。絵心がある佐官や尉官はいらっしゃいますもんね。

ちなみに岡崎大佐は大阪の茨木出身で江田島46期生のエリート、「海軍反省会」にもお名前が出ていました。

2018年11月2日金曜日

(34)西洋稚児話の友

「西洋稚児話の友」明治6
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919787

いやぁおもしろいなぁ。





西洋稚児話、ということで外国の子ども向けのお話の本。
前半は自己啓発の本でおなじみの金の卵を産む鶏の話や、ライオンとねずみといった教訓話で、後半は聖書の話になっています。

特に挿絵がいい。すみません、私には雅号が読めないのですが、当然のごとく日本画を学んだ方でしょう。そしてこの時代にはライオンも目にすることはなかったでしょう、日本画の手法で西洋のおとぎ話の挿絵を描くギャップ。素敵です。

2018年11月1日木曜日

(33)山西前線:従軍歌集

「山西前線:従軍歌集」昭和15
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1222911

従軍画家という言葉は有名ですが、従軍歌人という方もおられまして、歌人で当時立命館大学の教授だった小泉苳三氏が満州事変に従軍した際の歌集。
この出版が原因で戦後に一時公職追放になるなどしました。

そんな本の中から、加納莞蕾さんの挿絵をピックアップします。当時は本名の「加納辰夫」で活動しておられました。
加納さんも従軍画家で同じく満州へ渡っておられたようです。





(32)英米の少年斥候:ボーイスカウツ運動

「英米の少年斥候:ボーイスカウツ運動」大正11
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/940129


世界のボーイスカウトたち。(かわいい)
日本はまだ設立されたばかりでこの第一回ジャンボリーには参加していません。









挿絵がシンプルで素敵なんですが残念ながら作者不詳。

(64) 訓蒙開智・第2/生徒の革提

「訓蒙開智・第2/生徒の革提 」明治24 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919205 明記されていないのでサイン識別になりますが、月耕の門下生だった小川耕一さんの挿絵ではないかと思われます。