「小国民小説・地蜂」昭和17年
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720476
作者は芥川賞受賞作家、半田義之さん。
戦時中、6名の出征者を出した小さな村で、少年3人が地蜂の卵を捕って出征した兵隊に送ろうとするエピソードを軸に、少年の成長や離れて暮らす母への思い、山で見た怪物の話…などが描かれています。※珍しく全編読みました。読みやすい!
で、それよりもですね、こちらは蕗谷虹児さんが挿絵を描かれているんです。
蕗谷虹児さんと言えばやっぱりキラキラと可愛く美しい少女の絵のイメージ…ですが、やはり戦時中はこういう絵も描かれていたんですね。
蕗谷さんの描く国民服!レアじゃないですか~!
wikiでも戦時中、絵柄が時世に合わず制作を休止していた旨書かれています。この頃の作品はほとんどないのではないでしょうか。
私はこういった、本来は全く違うジャンルの画家が、戦時中の統制下に限られたモチーフで描き続けた絵がたまらなく好きなんですよ。もちろん本人は不本意だったでしょうが、そういう環境下でしか生まれなかった絵があるのも事実。
「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されているアーカイブの中から、おもに挿絵画と広告・宣伝に関する本を取り上げてデータベース化していきたいコレクション。
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