「大笑下女百話」明治39年
尾花庵二十坊主
下女を題材にした笑い話集。
例えば…。
長居する客が帰った後、ウンザリした主人が下女に、「またあの客が来たら箒をさかさまにして布巾をかけて立てかけておきなさい」と言った。(客を早くかえすまじない)
翌日、件の客が来たのでさっそく下女は箒を逆さにして布巾をかけ、主人と客のところへ行き、「これでいいんですか?」とたずねた。
…みたいな感じです。
他にも下女の無知を笑う話がほとんどで、今ならフェミ界隈が黙っていなさそうなテーマですが、筆者ははしがきで下女の事を「天真爛漫」「無邪気」と書いているので悪気はないんでしょうね。
さて私が気になったのはこちらの挿絵。著作者名が書かれていないので誰の作かわかりませんが、この時代では新しい描き方だったんじゃないでしょうか。
ちなみに尾花庵二十坊主の作品(編集が多い)はkindleでも読めます。
「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されているアーカイブの中から、おもに挿絵画と広告・宣伝に関する本を取り上げてデータベース化していきたいコレクション。
2018年9月14日金曜日
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