「をしゑ草」明治25
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919240
明治時代の修身の本。修身は今で言う道徳の本に近く、大正・昭和に入り戦争へ突入するとプロパガンダ色が強くなっていきます。
これはそれより以前のまだのんびりした感じのもの。差別用語も普通に出てきます。
まず表紙がすてき!
画家の名前が書かれておりません。旧著作権法は明治元年にそれっぽいものができていましたが、まだ挿絵における画家の権利はそこまで重視されていませんでした。
サインを比較して挿絵画家がわかりました。
枝年昌(雅号:春斎年昌)
wikipediaによると明治25年というと月岡芳年のもとを去って自立し、大作も発表し、ノリにノっていた時期です。そんな頃にこういうバイト(挿絵)もしていたんだと思うと感慨深い。
明治期の挿絵は浮世絵出身の挿絵画家が多いためかパースや遠近法はあまり用いられておらず、歌舞伎役者のブロマイドみたいな絵(いわゆる顔マンガ)が多い中、この方の絵は情景がしっかり描かれていてとても好きです。
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