「世界の軍部が鎬を削るスパイ戦の実相」昭和11
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1456075
表紙がいいですね。ゴシップ誌のようで。
さて中身の方はゴシップ誌さながら臨場感をもって小説風に書かれているものの、しかしまぁ読みにくい。
まず目次をご覧ください。
これだと15項あるように見えますが、実際の話は6話です。
最初の4項(ミスイタリー~小瑾)は1項目に1話ですが、残りの11項は実質2話です。
大項目と中項目が混じっているという、いちばんやっちゃイカンやつです。
最初から3話は外国でのスパイの話、4話目は征清殉難九烈士のひとり藤島武彦の話、5話目(5~11項)は殉節三烈士のひとり鐘崎三郎の話、6話目(12~15項)は日露戦争で諜報活動を行った明石元二郎の話となっています。
大体こういう三ナニナニとか九ナニナニと名前がつく方たちはまとめて紹介されている事が多いのですが(※wikipediaでも)今回初めてこの本で鐘崎三郎個人について知りました。
不幸な生い立ちの三郎は幼少期より軍人に憧れ猛勉強の末陸軍幼年学校への入学が許されるも、養父の反対や様々な障害にはばまれ2度も退学になってしまう。ようやく得た入隊の機会も、家長である理由で(妹や弟を養わねばならなかった)幾度となく拒まれるも、執念で入隊し、中国語を学んでスパイ活動に従事するようになる。
シナへ潜伏し数年間シナ人として諜報活動を行うが捕縛されるも逃げのびて、小舟で日本へ帰ろうとして遭難したところ運よく通りかかった赤城に救出され、でも最後はまたシナに捕らえられて拷問の上亡くなるという、なんだかすごい人だったんですね。
小舟で彷徨っているところ赤城に拾われるって。
ま、ご存知のようにこのあたりの書籍の正確さはいささか疑問がありますけどね。
「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されているアーカイブの中から、おもに挿絵画と広告・宣伝に関する本を取り上げてデータベース化していきたいコレクション。
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